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英国では、11月5日はガイフォークスナイト/デイ またはボンファイヤーナイト Bonfire nightなどとよばれ、仮装行列をして街中をうねり、篝火をたいたり、盛大な花火が打ち上げられるお祭りがあります。
11月5日前後の週末を使って、イングランド中のアミューズメントパークや 大きなフィールドで開催される花火に始まる大焚き火大会の詳細はローカル紙に掲載されていますので、近所でこのガイフォークスナイトをお楽しみください。花火や大焚き火だけでなく、ホットドッグやバーベキュー込みのところもあります。
ロンドン市内で行われる主な場所はこちらをご参考ください。
http://www.timeout.com/london/things-to-do/bonfire-night-fireworks-displays-in-london
また、ロンドンから電車で1時間ほど(車では1時間半ほど)にあるイーストサセックス州のルイス市で行われるガイフォークスナイトのお祭りは、英国でも一番といわれるほど、盛大なものだそうです。
http://www.lewesbonfire.co.uk/
http://www.lewesbonfirecelebrations.com/
ガイフォークスナイトの歴史を紐解くと、400年以上前の16世紀にまでさかのぼります。
その当時の英国は、ヘンリー8世(1491-1547)が1534年に国王至上法によって確立した英国国教会と、昔ながらのローマ・カソリック教会との対立が長く続いており、時の権力者の下で、長らく宗教に起因する政治的混乱が続いていましたが、しだいに、英国国教会優遇政策が強くなり、カソリック教徒への弾圧が厳しくなってくる中で、権力者である国王や議員たちのいる国会議事堂を爆破し、カソリック教会へ主権を取り戻そう、と考えるグループが生まれました。
1605年、そのグループは、時の国王ジェームズ1世(1566-1625)と国会議員たちを殺害するために、国会議事堂で、議会の開会式の行われる11月5日(グレゴリオ暦11月15日)に議事堂を爆破しようと、議事堂の地下室に大量の火薬を仕掛けていました。その火薬の部屋の見張り番と火薬の点火を担当することになったのが、ガイ・フォークス(1570-1606)でした。ガイ・フォークスはこの計画の中心的首謀者ではなかったのですが、火薬の知識や経験を買われ、見張り番に抜擢されたのです。しかし、この計画は密告により国王側に露見してしまい、見張り番をしていたガイ・フォークスは逮捕され、クーデターは未遂に終わってしまいます。(火薬陰謀事件 Gunpowder plot)
逮捕されたガイ・フォークスは、ひどい拷問をうけて、仲間の名前などを強制的に自白させられ、首謀者グループも、逮捕されました。その後、ガイ・フォークスを含めて首謀者たちは全員、ロンドン塔に送られ、一方的な裁判の後、翌年1月31日に市中引き回しされた挙句、ひどく残酷な方法にて処刑されました。事件の翌年に、宗教刑罰法が制定されて、カソリック教徒への弾圧はさらに厳しくなり、この「11月5日」は、1859年に法が廃止されるまで、「(王が)救われたことを神に感謝する日」として、篝火をたいて祝われ、国民の休日として制定されました。これを記念するため、毎年11月5日には、ガイ・フォークスを模した人形を作って、町中を一日中引き回し夜になって焼き捨てる風習が生れたそうです。
ガイ・フォークスは、国王側から見た場合は反逆罪の罪人ですが、カソリック側から見れば、時の権力者に虐げられていた者が自由を求めて戦った英雄としても扱われており、彼の顔の特徴をモデルとした「ガイ・フォークス・マスク」は、ネット上で政治的な反対運動を展開する無名集団「アノニマス Anonymous」が使ったことから「アノニマスマスク」と呼ばれ、「抵抗の象徴」として、今でも様々な所で使われています。
アノニマスマスク
夜空を飾る華やかな打ち上げ花火の裏にある英国の歴史の一幕にふれてみるのも、秋の夜長の楽しみになるかもしれませんね。
なお、英国の花火は日本の手持ちでできる花火と違って、打ち上げ花火や仕掛け花火などが多いため、毎年、この時期になると、花火が原因によるケガや事故も報告されていますので、英国の花火を楽しむときには、十分に安全にお気を付けてください。
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