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1 Jun 2015
6月 マグナカルタ 800周年

The Magna Carta

イギリスに来たらまず大英博物館へ、そして目指すはロゼッタストーンとマグナカルタ、というのが大多数の人の英国探索第一歩ではないでしょうか。今年はそのマグナカルタが1215年にジョン王(1199-1216)と貴族(バロン)の間で制定、調印されてからちょうど800年、6月15日がその記念日です。800周年を記念して、大英図書館では今に残るマグナカルタのオリジナルの認証謄本4通のうち2通と、マグナカルタに深く影響を受けた、ジェファーソン手書きのアメリカの独立宣言など大変貴重な書類が史上初めて同時に展示されています。(9月1日まで、エキシビション詳細については下記をご覧下さい。)

 

マグナカルタ Magna Carta とはラテン語で the Great Charter(大憲章)という意味。後に「人民の自由」が強調されて、the Great Charter of the Liberties (自由の大憲章)とも呼ばれています。マグナカルタは中世のイングランドで最も重要な書類であるばかりでなく、今に続く英国の法治制度、議会制度などの土台となり、「独裁的な専制君主から人民の自由を守る憲法を構成する最重要の法典」と言われています。

 

ジョン王の時代にはイングランドはフランスの北部、ノルマンディー地方も領地にしており、フランスとの戦争に明け暮れて、その膨大な戦費を負わされて苦境に陥った貴族が臣民とともに反逆、退位を迫られたジョン王が、王の権限を制限することを承諾する文書に国王自身がサインすることで事態の収拾を図り、ウィンザー近くのラニーミードで調印されて制定されたのがオリジナルの法典です。そこには教会の権利は守られるべきこと、貴族が不法に監禁されることなく迅速な法的保護を受けられること、貴族からの王への支払い金に限度を設け、そしてこの制度は25人の貴族によって施行されることなどがラテン語で書かれています。しかしこの仲介策は王、貴族側ともに守られることなく、ジョン王を支持していた教皇イノケンテウス3世の勅令によって無効となり、第一次バロン戦争が勃発します。

 

ジョン王の死後を継いだ息子のヘンリ−3世が法典の改訂版を再発行し、これがバロン戦争終結後の1217年にカンタベリー大司教の仲介で結ばれた和平協定の元となり、この時からこの法典が「マグナカルタ」と呼ばれるようになりました。その後、時の王による幾多の改訂や忘れられていた時代を経て、オリジナルで法的に守られているのが「自由民」(雇われていない人、すなわち貴族)だけだったのが、後に「全市民」に拡大され、すべての人民が法の保護を受けられるとなって現在に至っています。13世紀に送稿された法典が今に生きているのは、この「すべての民の自由」が法的に守られるべきことを保証しているからにほかなりません。悪王として名高いジョン王ですが、その悪王ぶりが結果的にこんなかけがえのない偉大な功績を残して今に語り継がれているというわけです。

 

大英図書館エキシビション詳細:

Magna Carta: Law, Liberty, Legacy

 

2015年3月13日—9月1日

 

PACCAR Gallery

The British Library

96 Euston Road

London NW1 2DB

 

入場料: 大人 £12.00 (Gift Aid £13.50)

              60歳以上 £10.00 (Gift Aid £11.00)

              学生 £5.00

              18歳以下 無料

 

予約: 電話  01937 546546

                 Email: boxoffice@bl.uk