News

2 May 2019
初夏を告げる花、ブルーベル

ロンドンもようやく春の陽気になってきました。どこの国でも、春の訪れは喜ばしいものですが、日本では4月は新たな年度が始まる季節であり、その季節を象徴する満開の桜が、毎年の入学式や入社式を彩り、日本人の心を和ませます。

 

ロンドンにも桜のお花見スポットはいくつかあるようですが、中でも世界遺産でもある王立植物園、キューガーデン内の日本庭園周辺にある桜は、日本でもなかなか見ることのないような品種の桜が多くあり、ピンクの濃淡の色のコントラストを楽しみながらお花見もできるのでお薦めです。

今年はコンテンポラリーガラスアーティスト、デイル・チフーリ氏のアートとのコラボも楽しめて一味違ったお花見となっていました(チフーリ氏の展示は10月27日まで)。

 

さて、日本では春の訪れ、お花見といえばもちろん桜ですが、英国でお花見といえば、初夏の訪れを告げるブルーベルではないでしょうか。

正式な名称はHyacinthoides non-scriptaというそうで、紫色をした細い釣鐘形の可憐な花を咲かせます。

カッコウのブーツ、女性のナイトキャップ、魔女の指ぬきなど、長年にわたり色々名前で呼ばれ親しまれてきました。

 

ここでブルーベルの10の「びっくり」をご紹介します。

①世界中のブルーベルのうち、約半数がここ英国に存在しています。

②ブルーベルは、英国の国内法(Wildlife and countryside Act 1981)で守られており、もし野生のブルーベルを掘り起こして売ったりしたら重い罰金が課せられます。

③英国では、最終氷河期の後からブルーベルは存在していたと考えられています。

④ブルーベルの種が球根になるまで、少なくとも5年はかかると言われています。

⑤青い色素のない希少な白い花の「アルビノブルーベル」という品種も存在します。

⑥ミツバチは春になると花の蜜を集めますが、時々ブルーベルのベルの部分を噛みちぎり、蜜を「盗んだり」もするそうです。

⑦外来種であるスパニッシュブルーベル(正式名称はHyacinthoides hispanica)は全く別の品種で、近年交雑が進み天然のイングリッシュブルーベルの減少が心配をされています。見分け方として一番簡単な方法は、花粉の色を見ることです。イングリッシュブルーベルはクリームがかった白色の花粉で、花が茎の片方にだけ付いていて、下向きに垂れ下がっており強く甘い香りが特徴です。

⑧青銅器時代では、矢に羽をつけるのにブルーベルの「膠(にかわ)」を糊がわりに使っていました。

⑨古代神話では妖精が森の中で子供達をおびき寄せる罠としてブルーベルを使ったと言われていることから、ブルーベルを「妖精の花」と呼んだりします。

⑩ブルーベルは毒性があり、動物や害虫から身を守るため、15もの生理活性物質を持つと言われていますが、近年ではこれをガン治療として使えないか研究をしています。

 

ブルーベルの見頃は、毎年4月中旬から5月末にかけてのようです。

是非皆さん、今年の春はブルーベルでお花見はいかがでしょうか。

 

                         

                キューガーデン

 

                

      イングリッシュブルーベル      スパニッシュブルーベル