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28 Jan 2016
2016年1月 今年の英国

昨年は、、、

 

パリの風刺雑誌「シャーリー•エブド」の出版社襲撃に始まり、同じくパリのロックコンサート会場での銃撃という、恐ろしいテロ事件で終わったヨーロッパの2015年でしたが、英国ではマグナカルタ調印800周年の記念式典にアメリカから弁護士団が400人も訪れて祝い、またエリザベス女王はヴィクトリア女王の在位63年を越え、英国で在位最長の君主となりました。日本人にとってもうれしいニュースがありました。イングランドで開催されたラグビーのワールドカップでは日本が緒戦で強豪南アフリカを破るという大番狂わせを演じて世界のラグビーファンを唖然とさせ、監督のエディ•ジョーンズ氏はその功績でイングランドのナショナルチームの監督に抜擢されました。またグラスゴーで行われた陸上世界選手権でも、 体操の男子団体戦で 日本が37年ぶりに金メダルに輝くという快挙に国中がわきました。

 

もうひとつ面白いニュース:日本生まれの’emoji’ (絵文字)はアップルが iPhone にとり入れてから一般的に使われるようになっておりますが、この英単語’emoji’がオックスフォード辞書によって2015年の新語 Word of The Year に選ばれました。一番人気はやはり「笑顔」、その次が「ピンクのハート」「赤いキスマーク」「赤バラ」「ピンクの菊」と続くそうです。

 

今年の英国

 

さて、デイヴィッド•ボゥイーの悲報で開けた2016年、ヨーロッパに押し寄せるシリアその他の中東の国からの難民問題はますます泥沼化して解決策が見いだせず、ひとまずEU内の国境警備を復活させるというEU 最大の危機を迎えています。英国ではEUに残るか、脱退するか、IN or OUT に別れた議論が盛んになっており、キャメロン首相は早ければ今春、遅くても来年には国民投票を行うことになりそうな気配です。

 

<シェイクスピア没後400年>

今年の英国の最大の行事は、なんといっても「シェイクスピア没後400年祭」でしょう。シェイクスピアは1564年4月に生まれ(日にちは不明、26日に洗礼を受けている)1616年4月23日に没しています。生まれ育ったストラットフォード•アポン•エイヴォンを25歳ごろに出て、ロンドンで役者、作家、劇団主として活躍した後、49歳で故郷に引退、その3年後に52歳で亡くなりました。この英国一、いや世界一の劇作家の没後400周年を祝って、ストラットフォードとロンドン(グローブ座)はもとより、全国でシェイクスピア劇の公演がプランされており、BBCでもテレビ、ラジオ両方で盛りだくさんの企画をしていますから、今年はシェイクスピアの全38作品が堪能出来るかも知れない特別な年になるでしょう。

王立造幣局より発売されているシェイクスピアの記念硬貨

 

<500年を迎えるロイヤル•メール>

英国の郵便制度を統括しているロイヤル•メール(現在は株式会社)が、1516年にヘンリ−8世によってポストマスターが任命された時から数えて500年を迎えます。最初は貴族間だけの配達で、一般に公開されたのはそれから100年以上たった1635年になってから、そして1657年にオリヴァー•クロムウェルによってポストオフィスが設立され、1784年に「ロイヤル•メール」になったそうです。この500周年を記念してロイヤル•メールでは500点の郵便制度に関する展示品や人物、イヴェントなどをインターネット(www.royalmailgroup.com/500years)で公開しています。

 

 

<ケイパビリティブラウン生誕300年>

イングリッシュガーデンは日本庭園と並んで世界的に有名ですが、そもそもその元を作ったのがケイパビリティ•ブラウン(本名ランセロット•ブラウン、1716−1783))という庭園設計士です。今年は生誕300年に当り、各地にある彼が設計した庭園(ハンプトンコート、ウーバンアビー、ロングリートなど多数)ではいろいろなイヴェントが開催される予定です。

(リンク記事)ケイパビリティ•ブラウン

 

<エリザベス女王陛下90歳に>

エリザベス女王は今年4月に90歳になられます。実際の生年月日は1926年4月21日ですが、歴代の英国君主には公式誕生日というのがあって、6月の一土曜日が指定されます。その理由は単純に、夏の方がお天気がよく祝賀イヴェントに適しているから(!)というもの。今年は6月11日(土)に恒例の、ホームガード(衛兵)を謁見するトゥルービングカラーという華麗な式典がホースガーズで行われ、90歳という特別なお誕生日を祝って翌12日(日)にはバッキンガム宮殿の前の道ザモールに長いテーブルを出して行う大ピクニックを女王の孫のピーター•フィリップ氏(アン王女の長男)が企画しているとか。一般の国民も全国各地でストリートパーティをオーガナイズして祝います。また 、ウィンザー城では5月12日—15日に、乗馬好きの女王さまにちなんで、900頭の馬が出演する大イヴェントが開催されます。(詳細は www.windsor.gov.uk)

 

 

<ヘイスティングスの闘いから950年>

イングランド王室は、1066年にノルマン公爵のウィリアムがヘイスティングスの闘いでハロルド王を破って、ウィリアム1世(征服王)となったのが始まりと言われていますが、今年はそれから950周年、特に記念行事などは今のところ発表されていません。

 

今年の英国は、押し寄せる難民移民、EU危機、そのEUに残るべきか残らざるべきかなど山積みする問題がテロの恐怖とともに大きく国を覆っている中、英国が最も世界に誇るシェイクスピアとエリザベス女王を盛大に祝って、なんとか乗り切る年になりそうです。