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18 May 2015
5月 英国の総選挙

David Cameron and his wife Samantha outside Number 10 on the morning after the election

 

 

5月7日(木)に The House of Commons(衆議院)の総選挙が行われ、デイヴィッド•キャメロン首相率いる保守党が、大方の予想を大幅に上回る331議席(全650議席中)を獲得して、単独で政権続行を果たしました。(前回は過半数に満たなかったため自由民主党との連立政権でした。)労働党は232議席、スコットランド国民党(SNP)がスコットランドの59選挙区のうち56議席を獲得して第3党に踊り出ました。一方、自由民主党はたったの8議席になってしまい、UK独立党(UKIP)とグリーン党も1議席ずつしか取れず、全くふるいませんでした。この惨憺たる敗戦の責任を取って、労働党のミリバンド党首、自由民主党のクレッグ党首、UKIPのファラージ党首は即刻辞任を発表しました。(ファラージ氏は後に撤回、党から辞任を拒絶されたとか。)

 

投票日直前までどの選挙予想機関もどの新聞も保守党と労働党の接戦を予想し、どちらが勝っても過半数に満たない、従って連立政権になるだろうとほぼ断言していましたので、過半数を5議席も上回る保守党の勝利には当事者たちも唖然としていたようです。投票日当日の出口調査(投票所の出口で投票して来た人に聞く調査)で早々に保守党の優勢が伝えられると、テレビで解説陣に加わっていたあるヴェテラン政治家などは、これが本当なら「脱帽する」と言うところを「帽子を食べてもいい」と宣言するほど、それほど意外だったのです。

 

英国は伝統的に「上層階級の保守党」と「労働者の労働党」の二大政党に投票傾向がはっきり分かれていましたが、キャメロン氏が英国経済の好調を旗頭に「働く人の保守党」をスローガンに掲げて懸命に中間層にアピールして、従来の労働党支持確実の選挙区から8議席も奪うことが出来たのが大きな勝因でした。昨年ごろから英国の経済が上向いて来て、失業率が5%と近年最低を記録した事実はキャメロン氏に多大な幸運をもたらしました。反面、ミリバンド氏には強く訴える政策がなく、労働党が第1党になった場合、SNPとの連立政権になる可能性があることがメディアで盛んに報道され、ミリバンド氏に不利に働いたのです。

 

英国の選挙の特色は、どちらの党に入れるかというよりも、どちらの党首が首相としてふさわしいかという党首対党首の個人合戦になることで、この点でもキャメロン氏に軍配が上がったというわけでしょう。党首だけでなく、夫人たちものんびりしてはいられません。新聞紙上で比較されたり、人気投票までされるのですから。キャメロン氏の方がハンサム(?)で精力的、より好感が持てる。それに加えて、おっとりした夫人のサマンサさんも人気ナンバーワンーーこれが今回の英国民の結論です。(写真は保守党勝利が決まった直後のキャメロン首相夫妻)