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4 Nov 2019
Children in Need 2019

チャリティーの歴史

 

今年も11月15日(金曜日)の晩、7時半から午前2時半までBBC はTelethon と呼ばれるChildren in Need のチャリティー・アピールを放映します。電話で一晩中簡単に寄付金集めが出来るこの企画は、有名なタレントや歌手、ニュース・キャスター達が代わる代わるに登場する娯楽番組でもあり、毎年実に驚くほど多額の寄付金が一般の人々から寄せられます。昨年のアピールでは、総額5千万ポンド以上が集まり新記録となりました。このチャリティー活動の恩恵にあずかるのは、難病や極度の障害をかかえて困難な状況にある子供たちとその家族が主で、寄付金は国内の子供対象のチャリテイー機関やホスピスなどに分配されます。イギリス中が一体となってチャリティー活動に沸くこの企画は、一体いつから始まったのでしょうか?

 

Children in Need の起源はBBC が1927年のクリスマスの日にラジオで呼びかけた5分間のアピールだったとされています。この最初のアピールでは、予想を大きく上回る1143ポンド18シリング3ペンス、現在の金額にすると約7万ポンドが集まり、子供対象の四つのチャリテイー機関に分配されました。その後もクリスマス・アピールはラジオで続けられていましたが、1955年からはテレビでのアピールとなり、Children’s Hour Christmas Appeal として子供たちの人気者、ハンド・パペットのSooty がホストを務めました。(写真1)

 

1978年からはその後2014年までの長い間ホストとなるテリー・ウォーガンが加わり、1980年からテレフォンとマラソンを組み合わせたTelethon という現在の形式が 作られました。最近のChildren in Need では、テレビの人気番組ドクター・フー、イースト・エンダーズ、ストリクトリー・ダンシングなどの出演者たちが挙って協力して番組を盛り立てています。

 

 

Pudsey Bear

 

 

BBC Children in Need アピールの現在のマスコットは、片目に水玉模様の包帯をした黄色いテディ・ベアで、パドシーという変わった名前がついています。(写真2)その由来は北ヨークシャーの小さな都市の名前から来ており、1985年にBBC のデザイナーがマスコットに自分の生まれた町の名前を付けて登場させました。最初の年は普通の茶色いクマさんだったそうですが、翌年には黄色の体で赤いハンカチで片目を覆った現在の姿とあまり変わらない姿になり、その後ハンカチは白に赤い水玉になり、2007年からはカラフルな水玉模様の現在の姿になりました。イギリス人にとってテディベアは子供と切っても切れない仲と言っても良い位馴染み深い存在ですから、パドシーは人気者としてチャリティー・イベントに参加して、アピールに貢献しています。

 

 

子供とチャリティー

 

Children in Need の番組では、歌や踊りの楽しいエンターテイメントの合間に、視聴者からの寄付がどのような子供たちのために使われるかが短いドキュメンタリ―として紹介されます。例えばあるケースでは、未熟児で生まれた双子の一人が脳の未発達のために重い障害を持つ子供になってしまい、口もきけず歩くことも出来ない状態で育ち、両親はその子の面倒でいつも忙しく疲れ果ててしまっている家庭が紹介されました。夜もまともに寝る事の出来ない両親にとっての救いは、一年に何回か数日間子供ホスピスに家族で休暇に行かれることで、その間はホスピスのスタッフが子供の面倒を見てくれるのでゆっくり休むことが出来るのです。このホスピス滞在の費用が、Children in Need から支給されるチャリティー資金で賄われるのです。

 

Children in Need は一晩だけの大人たちによる電話での寄付とは限りません。11月に向けて小学生から中学生たちも何かの形でこの活動に参加する事を学校も奨励しており、様々なグループが存在します。子供たちのチャリティー・ラン、チャリティー・スイム、チャリティー・ウォークなどは目標を決めて、親や近所の人たちにスポンサーになってもらい、目標を達成したら約束した金額を寄付してもらいます。学校でのバザーでは、少額を払ってゲームを楽しんだり、家で作ったケーキを売って、親たちも協力をおしみません。日本人には珍しいのは、学校中心の一日だけのパジャマ・デイや制服ではなく自由な服装での登校を許すかわりに、1ポンド寄付しましょうというアイデアです。

 

こうしてイギリス中の子供たちが自分よりの恵まれない環境にある他の子供たちのために、チャリティー活動に参加することを学び、大人になってからもごく自然に楽しみながら身近なチャリティー活動に関わることになるのでしょう。